年が改まって早一カ月が過ぎてしまいました。年末から年始のスポーツイベントを受けてブログを書こうと思っていましたが、結果はご承知の通り。ラグビーも駅伝も目標を達成できませんでした。選手・関係者の皆さんが全力を尽くしたことへの敬意は当然のことではありますが、多くの皆さんの期待が大きいが故に、新年の気持ちの高まりとまでは行きませんでした。私も何となく気の抜けた正月を過ごし、ブログ執筆も延び延びになってしまいました。お許し下さい。

と思っていた矢先、NHKの大河ドラマ「どうする家康」の脚本を東海大学の卒業生である古沢良太さんが手がけていることを知りました。勿論、古沢さんは映画「ALWAYS 三丁目の夕日」やテレビドラマでは「相棒」や「リーガル・ハイ」など、脚本家としてのご活躍は以前から存じ上げてはいましたが、新年早々の東海大学卒業生の登場に心が躍りました。加えて先週末に公開された木村拓哉・綾瀬はるか主演の「レジェンド&バタフライ」も古沢さんの脚本と知ってその驚きと喜びは倍加しました。

大学案内2015

古沢さんは以前の東海大学の大学案内に1995年度文学部日本文学科卒のOBとして登場して頂いています。そこでは「おもしろい脚本が人を集め、そこからすべてが動き出す。」と脚本家としての心構えを語っています。更には「もちろん、自分がおもしろいと思えることは大切です。ワクワクする気持ちがないと、書き進めてはいけません。ただ自己満足では意味がありませんから。視聴者はもちろん、携わる人々に評価してもらうからこそ、仕事として成立し、社会に還元できるわけです。」と加えています。

その言葉を受けて、東海大学の様々な試みがワクワク感をもって進められているのか、またそれが自己満足に終わらずに東海大学を取り巻くステークホルダーにとって評価されて支持されているのかを振り返ると、胸に迫るものがあります。今年度からのカレッジ制の導入や新学部の設置など、私としては意義あるものと考えていましたが、本当にそうなのか改めて自問自答の機会を古沢さんの言葉は与えてくれました。

このコロナは単に感染症のまん延という禍に留まらず、人と人とのコミュニケーションを奪ってしまった社会的損失であったと思います。1月になって二度校友会・同窓会の集まりにお招き頂きました。そこで大学の改革の模様をお話いたしましたが、皆さん好意的には受け止めて頂いたものの、初めて聞く話であるとの反応もありました。コロナによって直接お話する機会がなかったとは言え、それ以外の手段である程度は伝わっていたと思っていましたが、大いなる反省点でありました。

「どうする家康」はまだ始まったばかりですが、我々には徳川の天下泰平を築いた不動の人物と映っていた徳川家康が、折々の場面で悩み苦しみ決断する様を描いていくものと思います。東海大学も今までもそうした難関を、松前重義先生をはじめとする先人たちの英知で乗り越えてきましたし、これからもそうでありたいと思います。そのことを肝に銘ずる意味でも「どうする東海」を皆さんと共有すべきキーワードと思います。今年もよろしくお願いいたします。