東海大学では、コロナウイルス感染症への対応のため卒業式も入学式も中止し、新学期の計画も大幅な変更を余儀なくされました。それからひと月、季節は進み、風薫る5月になりました。今は連休中ですが、今年はGOLDEN WEEKではなくSTAY HOME WEEKです。皆様も活動自粛の日々を過ごされていることと思います。

さて今回は、これまでの本学の動きをブログ読者の皆様にお伝えしたいと思います。何といっても東海大学としての大きなチャレンジは、初めて遠隔授業に大学全体で取り組む決断をしたということです。

授業開始は5月11日(月)からです。授業をする先生も受講する学生も、全ての科目が遠隔授業となるのは初めてのことで、それぞれに戸惑いを隠せません。その解消には事務方の涙ぐましい努力がありますが、未だ全ての不安が払拭された訳ではありません。

こうした状況を打開するために相談窓口を設けておりますが、加えて遠隔授業受講のための支援金の提供をお示しいたしました。短期大学を含む大学全てのキャンパスの全ての学生を対象にした、学生一人当たり1万円を上限とする支援です。煩瑣な手続きでご面倒をおかけすることになりますが、所得と見做されないために、実費を後で清算するという形をとりました。

1万円は一人当たりの金額としては多いとは言えませんが、大学全体となりますと総額で約3億円規模になりますので、これが現況では限界でした。その多いとは言えない支援金の中に、ネット通信にかかる費用に加えて、「NHKオンデマンド」の視聴料も5・6・7月の3ヶ月分を入れさせて頂きました。

これには疑問を呈する声もありましたが、NHKアーカイブスで公開された幅広いテーマの番組を自由に視聴出来ることから、様々な分野の先生が授業の補助教材として活用できることに加え、文理融合教育を標榜する東海大学にとって、NHKの教養番組の利用は有益であると考えたからです。勿論、これ以外にもインターネット上にフリーで提供されている教材や、東海大学の図書館が学生に無償で提供している全国紙や主な雑誌などの記事を活用して頂くことも考えています。

これらのことは、学生・教職員が一堂に会しての場でお話するかわりに、インターネットを通じて配信しています。また保護者の皆様にも同様のメッセージを配信しております。以下のURLは、保護者の皆様向けのものですが、ご参考のためご紹介いたします。

【保護者の皆さまへ】東海大学学長メッセージ(4月22日配信)
https://www.u-tokai.ac.jp/caution/detail/422.html

また、今後も現在の緊急事態宣言が継続されますと、経済的困窮から修学困難になる学園の生徒・学生が通常以上に生じることが予想されます。それに対しては、現状の奨学金予算と未実施の行事などの予算からある程度の資金を確保しましたが、十分とは言えない状況です。そこで、昨日ホームページ上に「新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校法人松前重義記念基金へのご寄付お願い」というご案内を出させて頂きました。

新型コロナウイルス感染拡大に伴う学校法人東海大学松前重義記念基金へご寄付のお願い
https://www.u-tokai.ac.jp/caution/detail/post_71.html

成績優秀であっても、新型コロナウイルス感染症の影響による経済状況の悪化で困窮を極め、学修の継続が難しくなるであろう生徒・学生を救済しようとするものです。熊本震災の際にも多くのご厚志を頂きましたが、今回は日本国民全てが被害を受けている中ですので、大変心苦しい限りです。従いまして、金額としては画面の設定上決められた額が並んでおりますが、自由に設定出来るようになっておりますので拘りません。何卒よろしくご協力賜りますようお願い申し上げます。

さて、最後になりましたが、今回のコロナウイルス禍は社会の仕組みそのものを変える契機になっているようです。大学も例外ではなく、遠隔授業やテレワークなどがそれに当たります。連休明けから始まる東海大学の授業の模様なども含め、我々としても「コロナ後の社会」にどのように対応していくべきかなどのお話を次回にいたしたいと思います。

では皆様も三密を避け、十二分に感染防止対策をされてお過ごし下さいますよう、心よりお祈り申し上げます。