11月に入って1日には第77回の建学記念式典が多くのご来賓並びに学園関係者のご出席を得て無事終了しました。同じく湘南校舎では建学祭が行われ、天候にも恵まれ約75,000人の方々のご来場を頂きました。特にホームカミングデーがあった11月3日は、第51回全日本大学駅伝対校選手権大会が行われており、16年ぶり2回目の優勝を皆さんで喜び、大いに盛り上がりました。

■陸上競技部駅伝チームが全日本大学駅伝で優勝しました
https://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/shonan/news/detail/post_1548.html

さて、10月には天皇陛下の即位の礼が盛大に催されました。古式に則った儀式や祝宴に世界各国からの国家元首など多くの賓客が訪日されました。それらの方々の中で、アルメニア共和国・ブルガリア共和国・アイスランド共和国の3名の大統領が、多忙なスケジュールを縫って東海大学を訪問されました。

アルメニア共和国は旧ソビエト連邦に属していましたが1991年に独立しています。この国とは東海大学としては、協定等の組織的な交流関係はないのですが、グラント・ポゴシャン駐日大使は旧ソ連の関係で東海大学の関連組織である日本対外文化協会(会長 松前達郎)の奨学金で日本に留学されており、その関係から今年にはアルメン・サルキシャン大統領が高輪キャンパスをご訪問されご講演を頂きました。学者でもあり外交官でもあったご経験から大変すばらしいお話をして頂きました。

■アルメニアのサルキシャン大統領による講演会を開催しました
https://www.u-tokai.ac.jp/international/news/detail/post_204.html

ブルガリアは1969年にブルガリアの文部省に当たる科学技術促進高等教育委員会と東海大学との間で学術交流協定が締結されており、以来様々な分野での交流が続けられています。1984年にはトラキア遺跡発掘調査委員会と協定を締結し、ローマ時代のトラキア遺跡の発掘に大きく貢献いたしました。また、ブルガリア少年少女合唱団の日本公演の招致も行いました。その歌声を聞かれた方もおられると思います。1994年には東海大学同窓会ブルガリア支部も設立されブルガリアと東海大学の絆はさらに強いものになりました。そうした経緯からルメン・ラデフ大統領が松前達郎総長を表敬訪問されました。

そしてアイスランドのグドゥニ・トルラシウス・ヨハネソン大統領です。アイスランドというとアメリカが月へ人類を送った際に、その訓練をした岩だらけの島というイメージですが、何故その大統領が東海大学に足を運ばれたか、その背景をお話したいと思います。

選挙によって選ばれた世界初の女性大統領は、このアイスランドのヴィグディス・フィンボガドゥティルさんです。彼女は、冷戦終結を決めたレーガン米国大統領とゴルバチョフ旧ソ連書記長のアイスランドでの会談を実現させた人物ですが、大統領を辞した後、2002年に東海大学を訪問されました。実は東海大学のなかでもあまり知られていないのですが、本学はアイスランド語を学部レベルで教えている国内唯一の大学です。フィンボガドゥティル大統領が訪問された際はそのことに痛く感激され、その縁で2004年からアイスランド大学と交換留学の協定を締結しています。

昨年11月には、アイスランドのエーリン・フリーゲンリング駐日大使が湘南校舎を訪問され、学生に特別講演をしました。僅か人口35万人の小さな国ですが、女性の社会参画や地熱発電の試みなど、東海大学が今追及しているQOLのお手本となるようなお話をして頂きました。今回の大統領の表敬はフリーゲンリング大使の執り成しがあった故と思っています。

実は私は今年の5月に首都レイキャビックにあるアイスランド大学を訪問いたしました。そこでアイスランド大学のヨーン・アトリ・ベネディクトソン学長にお目にかかり、是非日本へお越しいただくようお願いをいたしました。折りしも今回の大統領の訪日の随行として来られたわけですが、それもそのはずで、グドゥニ・トルラシウス・ヨハネソン大統領は前職がアイスランド大学のアイスランド近代史が専門の教授でした。そういった意味では、大統領との接見というよりは、大学教授間のフリーな議論で、予定の時間を超え1時間余りの有意義な時間となりました。

秋本番となりましたが、皆さんお風邪など召されないようご自愛下さい。