3月19日の熊本から始まった学位授与式と、4月に入ってからの入学式ですが、全国のキャンパスを回って、4月6日の札幌で一段落です。ということで今回のブログの話題は学位授与式と入学式です。

2018年3月までは学部の学位授与式の学長式辞は日本語で行って来ましたが、今年3月から英語に変えました。入学式は2年前から英語でスピーチをしていますが、学位授与式も英語にしたのには、訳があります。それは今年から学位記を英文表記のものにしたからです。

■湘南キャンパスで2018年度学位授与式を挙行しました
https://www.u-tokai.ac.jp/about/campus/shonan/news/detail/2018_57.html

グローバル大学を標榜している東海大学ですから、世界中どこへ行っても通用する学位記を発行したかったというのが、まずその第一の目的です。また、日露交流促進官民連絡会議でお世話になっている、コマツの会長・社長を歴任された坂根正弘様から「卒業証書は(製造業でいえば)品質保証書にあたると思うが、大学にその意識はあるか?」と、以前質されたことも契機となっています。さらに、ひとりひとりの学生と繋がりを持つことがしたいと思いONLY ONEという意味を込め、全ての英文学位記に私自身で直筆のサインをいたしました。

2018学長式辞日本語抄訳

かつて松前重義先生は学位授与式で卒業生ひとりひとりに握手をしていたそうで、年配の同窓生からはそのぬくもりが忘れられないと聞かされておりました。私も何かの形で、その心情を実現したいと思っていました。大学院・学部併せて7000枚近いサインには、入学試験期間に本部で待機している時間を利用し約1週間かかりました。書けども書けども終わらない学位記に、改めて東海大学の学生の多さをこの手で実感しました。

■サインの様子

実はこの学位記には、卒業生の皆さんに飾って頂きたいという思いもあります。そのために昨年の春から準備にかかり、本学の教養学部芸術学科の池村教授に、世界の学位記を収集してレイアウトを考えて頂き、それを飾るフレームのデザインまでも担当して頂きました。フレームは湘南2号館の大ホールの改修でお世話になったニトリさんにご相談したところ、快く引き受けて下さいました。また、私自身もサインする万年筆選びのため銀座三越へ行ったのですが、いろいろ試してみると横文字の署名には外国製がいいようで、結局モンブランを選びました。

■フレーム検討と万年筆選びの様子

実はこのような学長の手書きの署名による学位記は、他の大学にも先例があるとのことで、とある方からはニュース性が乏しいと言われたようですが、日本経済新聞には取り上げて頂きました。ご参考までに記事のURLを添付いたします。しかし私としては、メディアの評価もさることながら、受け取った卒業生がどのように感じるか、その意見が聞きたいと思っていたところ、先般、ある卒業生のお母さんから、部屋に飾ってお子さんと毎日見ていますと言われ、うれしくなりました。

■東海大、英語の学位記を正本に(2019/4/3付 日本経済新聞 朝刊)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO43232580S9A400C1TCN000/

また、以前に卒業された方々からも反響がありました。先月、医学部の同窓会「星医会」でサンプルをお見せしたら、「我々も欲しい」とのお声を頂いたのです。今回の件で、面倒をお掛けした関係者の皆さまには恐縮ですが、OB、OGへの頒布の方法も検討してみたいと思っています。

■フレーム入りの学位記見本

英文学位記の話題だけで紙面を使いきってしまいました。入学式については、パート2に譲ります。平成の内にはお届け申し上げます。ではまた…